2013年度電子情報特別講義プログラム

 

    対 象 : 学部3年次,4年次および大学院生(単位は学部生のみ)

    内 容 : 電気工学・電子工学・情報通信に関する内外のトピックスおよび

           産業界の現状と将来,その他学生諸君の今後に役立つことなど

    日 時 : [後期]毎週火曜日4時限(午後2時40分から午後4時10分)

    講 堂 : 23号館301教室

    単 位 : 2単位;毎回、内容をレポート用紙[A4]1枚程度にまとめ提出する

    講 師 : 外部の大学,研究所,企業の著名な方々および

           第一線で活躍している卒業生  OB講師の募集について

第1回(9月24日・OB講演)・・・・・・講師:大槻  健一郎 氏 (日本デジタル配信株式会社)

  映像メディアサービスの最新状況とその仕組みについて

 

 動画像をテレビ(STB)だけに表示する時代から、PCや携帯,スマホ,タブレット等に表示したり、さらにそれぞれのデバイス間を連携するマルチスクリーンサービスの時代が始まっています。コンテンツメディア業界,放送・ケーブルテレビ業界,通信業界,更にはOTTと言われる新たなメディアサービスも含め、メディア業界の最新情報と小野技術について解説します。

第2回(10月1日・OB講演)・・・・・・講師:独古  康昭 氏 (スパンション・イノベイツ・デザイン株式会社)

  世界の半導体動向と生き残りをかけた日本の半導体

 

 止まらないコストと性能要求による微細化技術の熾烈な競争およびそれを実現するために必要な工場への大規模投資という課題を抱える半導体業界。携帯電話や自動車などを含む世界の電子機器産業を支えている半導体部品を最新の半導体業界情報を基に今後の動向を予測する。また、日本国内各社の生き残りをかけた半導体事業展開を紹介し、グローバルな視点での産業構造の変遷を説明する。

第3回(10月8日)・・・・・・講師:佐々木  三郎 氏 (電力中央研究所)

  エネルギーについて考える

 

 東日本大震災後、わが国のエネルギー供給、とくに電力エネルギーは綱渡りの状況が続いている。エネルギー供給の重要な視点は、①エネルギーセキュリティーの確保、②エネルギーコストの低減、③CO2排出量の低減、であるが、そのどれもが達成できない状態が続いているのである。今後のエネルギーを考えるために、大規模電源である原子力、火力はどうあるべきか、期待されている再生可能エネルギーの実力はどうなのか、スマートグリッドとは何なのか、などについて説明し、皆さん自らに考えて貰うための一助としたい。

第5回(10月22日OB講演・・・・・・講師:木田 雄三 氏 (株式会社JPビジネスサービス)

  電力の安定供給を陰で支える縁の下の力持ち ~電力系統解析について~

 

 私たちの生活で欠かすことのできない存在である電気。この電気を安定に供給するための設備である電力系統とはどのようなものか。今話題となっている再生可能エネルギーやスマートグリッドも含めて紹介します。また、電力系統の計画・運用に必要な電力系統解析とはどのようなものか。解析ツールの 一つである、リアルタイム・デジタル・シミュレータRTDSの紹介も含めて説明します。

第6回(10月22日OB講演・・・・・・講師:島倉 信雄 氏 (独立行政法人海洋研究開発機構)

  急成長中のIT企業に就職できたら人生勝ち組って本当ですか?

 

 この講義では、当時「米国の国宝」とまで呼ばれた外資系スパコンメーカーに就職した神奈川大学OBの講師が目の当たりにした、IT業界の熾烈な栄枯盛衰の歴史をお話します。さらに様々な企業文化に触れてきた経験を元に、IT業界の真の姿を詳らかにします。また目前に迫った就活に合わせ、就活の必殺テクニックをお伝えします。

第7回(11月5日OB講演・・・・・・講師:橋本 晃邦 氏 (株式会社NHKメディアテクノロジー

  あなたの知らない テレビ画面の向こうにある技術!

 

 テレビ番組を制作する過程で一般の視聴者が知らないテレビの裏側にあるNHKの様々なシステムや設備を紹介する。具体的には 1)ライブ中継、2)緊急報道、3)特殊機材

第8回(11月12日OB講演・・・・・・講師:武尾 英哉 氏 (神奈川工科大学)

  コンピュータを使ったデジタル画像処理

 

 電子工学技術の進展に伴い,デジカメや携帯電話のカメラ機能など,多くのデジタル画像が普及してきました.本講義では,これらデジタル画像をコンピュータで美しくする表現方法,すなわちデジタル画像処理技術について解説します.一方,多くの病院では,すでに画像のデジタル化が進んでおり,医用画像工学という分野が確立されています.この分野で臨床応用されているデジタル画像の認識システムについても紹介したい思います.

第9回(11月19日・・・・・・講師:小野山 泰一 氏 (日産自動車株式会社)

  電動車両 -EVとHEV-

 

 この特別講義では、最近注目されているハイブリッド車や電気自動車で使われている電動パワートレインの特徴をエンジンとモータの特性を考慮しながら説明します。次に日産自動車が1989年から進めてきた電気自動車開発の歴史の中から学んだことと、これから目指している電気自動車について説明します。ハイブリッド車については、なぜあんなに燃費を良くできるか、その謎に迫りたいと思います。いろいろなハイブリッド車について概説し、当社のオリジナルのハイブリッド車についても説明いたします。

第10回(11月26日・・・・・・講師:高橋 秀典 氏 (トヨタ自動車株式会社)

  トヨタにおけるハイブリッド技術の現状と将来

 

 この特別講義ではプリウスに代表されるハイブリッド車の誕生の背景に触れた上で、技術の集合体であるハイブリッド車に使われている様々な技術と、それぞれを組み合わせることによって実現している性能について説明し、エンジニアとして必要な技術領域を知るきっかけにして頂きたいと思います。また、モビリティーの将来像、その実現の為に必要な技術や取り組みにも触れていきます。

第11回(12月3日・・・・・・講師:須川 賢洋 氏 (新潟大学)

  変革期の知的財産制度とIT関連法

 

 IT/ICT技術の発達によって情報セキュリティの必要性が高まった結果、今、我が国の著作権制度やサイバー法制は激変期にある。本講ではITエンジニアとして、また、ネットユーザとして知っておくべき、著作権法をはじめとする様々なIT関連法の基本を解説する。特に、ここ2.3年の法改正に重点を置く。

第12回(12月10日・・・・・・講師:岡田 仁志 氏 (国立情報学研究所)

  電子マネーのソーシャル化と地域電気マネーの可能性

 

 日本は電子マネーの普及率では世界有数の大国ですが、SNS向けの決済ビジネスでは新しい国際競争が起こっています。電子マネーの歴史と普及経路を振り返り、ソーシャル化の成功要因を探ります。電子マネーのソーシャル化の例として、みんなの知恵で困難な課題を解決するシリアスゲームにヒントを得たソーシャル節電ゲームの構想を紹介します。ゲームで得たポイントを補助通貨として流通させる地域電気マネーの可能性にも言及します。

第13回(12月17日・・・・・・講師:佐藤 康治 氏 (日産自動車株式会社)

  IT/ITS開発の紹介

 

 日産自動車では、「安全」,「環境」を重要技術領域と位置づけ、新技術の開発および商品化を進めている。IT/ITS分野での日産の安全・環境への技術開発の取り組みについて、最新の動向や実証実験の成果等を交えながら紹介する。

第14回(1月7日OB講演・・・・・・講師:加賀 義隆 氏 (NPOポートフォリオインテリジェンス)

  社会システムを変えるエンジニア~ソーシャルエンジニアの活躍

 

 今、社会は広い視野で考えられるエンジニアが必要である。エンジニアの基本能力(論理的思考力、定量的分析力、創造力)は、物作りだけでなく新たな社会システムの実現にも必要であり、学生がそれを在学中に知ることは重要である。本講義では、講師の航空機整備エンジニア、情報システム開発推進者の経験から、エンジニアの基本能力の重要性を述べる。また、エンジニアが営業部門で活躍できる領域を、講師の経験から紹介する。

第15回(1月14日・・・・・・講師:大杉 功 氏 (サレジオ工業高等専門学校)

  熱電変換技術の現状と課題

 

 ゼーベック効果やペルティエ効果を利用して直接的かつ可逆的に熱・電気エネルギー変換を行う熱電変換技術は、特に震災以降注目されている。近年では基礎研究のみならず応用研究も活発に行われつつあるが、現状では実用上十分なエネルギー変換効率を得るまでには至っていない。この講義では、熱電変換研究の歴史的経緯、エネルギー変換技術としての現状、および今後期待される効果と解決すべき問題点について解説する。