2012年度電子情報特別講義プログラム

 

    対 象 : 学部3年次,4年次および大学院生(単位は学部生のみ)

    内 容 : 電気工学・電子工学・情報通信に関する内外のトピックスおよび

           産業界の現状と将来,その他学生諸君の今後に役立つことなど

    日 時 : [後期]毎週火曜日4時限(午後2時40分から午後4時10分)

    講 堂 : 23号館301教室

    単 位 : 2単位;毎回、内容をレポート用紙[A4]1枚程度にまとめ提出する

    講 師 : 外部の大学,研究所,企業の著名な方々および

           第一線で活躍している卒業生  OB講師の募集について

第1回(9月25日・OB講演)・・・・・・講師:大槻  健一郎 氏 (日本デジタル配信株式会社)

  映像メディアサービスの最新状況とその仕組みおよび今後について


 「放送+VOD+タイムシフト」、映像メディア業界は、サービスや技術において、新たな局面に入っている。コンテンツメディア業界、地上放送・衛星放送・ケーブルテレビ放送業界、通信サービス業界、更にはOTTと言われる新たなメディアサービスも出てきており、メディアの最新情報について解説する。さらに、テレビとタブレットを連携するマルチスクリーンサービスおよびそこに必要な技術についてもお話する。

 

第2回(10月2日・OB講演)・・・・・・講師:独古  康昭 氏 (富士通セミコンダクター株式会社)

  富士通セミコンダクターの車載半導体ソリューション

 

 近年、自動車向け半導体製品は、安全性,快適性,環境性に対して様々な性能,機能,特性が要求され、車一台に搭載される半導体製品も年々増加する傾向にある。富士通セミコンダクター株式会社では、市場要求に応えるべく、車載ネットワークを搭載したマイコン及びASSP製品とソリューションを構築しており、これら最新状況を紹介する。

第3回(10月9日・OB講演)・・・・・・講師:島倉  信雄 氏 (独立行政法人海洋研究開発機構)

  IT業界は「キツくて、キビシくて、帰れない」3K職場なのか? -最近20年におけるIT企業の光芒一閃-

 IT業界は就職先として人気がある一方で「キツい、キビしい、帰れない」3K職場とも言われています。この講義では、神奈川大学卒業後、外資系スパコンメーカーに就職した講師が、吸収合併、社名変更、転職を経て、様々な企業文化に触れてきた経験から、IT企業の真の姿を詳らかにお話すると共に、就活の必殺テクニックを披露します。

第4回(10月16日・OB講演)・・・・・・講師:木田  雄三 氏 (株式会社JPビジネスサービス)

  電力系統と電力系統解析 ~RTDSを使用したシミュレーション~


 私たちの生活で欠かすことのできない存在である電気。この電気を安定に供給するための設備である電力系統とはどのようなものか。今話題となっているスマートグリッドも含めて紹介します。また、電力系統の計画・運用に必要な電力系統解析とはどのようなものか。解析ツールの 一つである、リアルタイム・デジタル・シミュレータRTDSのデモンストレーションを交えて 説明します。

第5回(10月23日)・・・・・・講師:新家  富雄 氏 (株式会社アクアサウンド)

  音響技術を用いた海棲生物調査について

 

 海棲生物の生態は未だに謎に包まれている。それは、彼らの生態を調査する機器が発達していな無かったことが一因である。近年、バイオテレメトリーと呼ばれる海棲生物に取り付けた超音波発信器を追尾することによって行動を解明する調査法や、鳴音や摂餌音などから海棲生物の生態を解明するパッシブバイオアコースティックスが発達してきた。本講義では、これら調査に資する水中音響機器の開発について述べる。

第6回(10月30日)・・・・・・講師:佐々木  三郎 氏 (電力中央研究所)

  地球環境時代の電力技術 -グリーンニューディールと直流技術-

 

 地球環境を守るため、低炭素化社会の実現が重要である。その鍵を握るのは「電気」であり、そのためには、再生可能エネルギー等の開発ならびに、それらを柔軟に受け入れる電力流通系統すなわち、スマートグリッドが必要である。その鍵を握るのは「直流技術」である。(1)地球温暖化への対応,(2)低炭素社会実現の鍵は「電気」,(3)グリーンニューディール,(4)直流技術の過去・現在・未来,(5)皆さんへの期待、の順にお話しする。

第7回(11月6日)・・・・・・講師:須川 賢洋 氏 (新潟大学)

  変革期の知的財産制度

 

 ITの浸透や中国/アジア諸国の先進国化の影響により、いま我が国の知的財産制度は激変期にあると言える。本講では著作権を中心とした知的財産権の基本を解説し、現行制度のかかえる問題点、さらには今後どのように変革がなされていくかを述べる。

第8回(11月13日)・・・・・・講師:小野山 泰一 氏 (日産自動車株式会社)

  電動車両 -EVとHEV-

 

 この特別講義では、最近注目されているハイブリッド車や電気自動車で使われている電動パワートレインの特徴をエンジンとモータの特性を考慮しながら説明します。次に日産自動車が1989年から進めてきた電気自動車開発の歴史の中から学んだことと、これから目指している電気自動車について説明します。ハイブリッド車については、なぜあんなに燃費を良くできるか、その謎に迫りたいと思います。いろいろなハイブリッド車について概説し、当社が一昨年発売したオリジナルのハイブリッド車についても説明いたします。

第9回(11月20日)・・・・・・講師:原田 望 氏 (Semicon Consulting 株式会社)

  躍動するグローバル社会において知的財産が創り出す力

 

 現在、日本は大きいグローバル化の波の中で、競争力を生み出す産業基盤が大きく変わっている。競争力のある商品には付加価値が不可欠である。この付加価値を生み出す大きい源泉の一つが知的財産である。この知的財産を生み出すのは個人の力である。講義では、知的財産がどのように社会にインパクトを与えたか、グローバル化の中での知的財産、そして知的財産創造力を獲得するための要点について述べる。

第10回(11月27日)・・・・・・講師:大杉 功 氏 (サレジオ工業高等専門学校)

  熱電変換技術の現状と課題

 

 ゼーベック効果やペルティエ効果を利用して直接的かつ可逆的に熱・電気エネルギー変換を行う熱電変換技術は、特に震災以降注目されている。近年では基礎研究のみならず応用研究も活発に行われつつあるが、現状では実用上十分なエネルギー変換効率を得るまでには至っていない。この講義では、熱電変換研究の歴史的経緯、エネルギー変換技術としての現状、および今後期待される効果と解決すべき問題点について解説する。

第11回(12月4日)・・・・・・中山 沖彦 氏 (日産自動車株式会社)

  車載情報機器の基盤技術と社会における役割

 

 まず、電子情報技術が車に対して果たしてきた(果たすであろう)役割を概括した上で、第一部では、車載情報機器の核であるカーナビを支える基盤技術を紹介する。次いで第2部では、通信インフラの進化とともに車載情報機器がいかなる変容を遂げているか、その変化に伴って可能となってきたセンターにおけるデータマイニング技術につき紹介する。次いで第3部では、来るべきエネルギー最小化社会において、車載情報機器がいかなる役割を果たすかについて紹介する。

第12回(12月11日)・・・・・・講師:森 和義 氏 (防衛大学校)

  海中雑音を積極的に利用する新しいソーナーの試み ~テッポウエビの音で物体を探知できるか?~

 まず、電子情報技術が車に対して果たしてきた(果たすであろう)役割を概括した上で、第一部では、車載情報機器の核であるカーナビを支える基盤技術を紹介する。次いで第2部では、通信インフラの進化とともに車載情報機器がいかなる変容を遂げているか、その変化に伴って可能となってきたセンターにおけるデータマイニング技術につき紹介する。次いで第3部では、来るべきエネルギー最小化社会において、車載情報機器がいかなる役割を果たすかについて紹介する。

第13(12月18日・OB講演)・・・・・・講師:鈴木 順夫氏 (サクサ株式会社)

  映像監視システム、画像解析 ~市場動向、技術、商品紹介~

 

 最近、犯罪事件などのニュースで防犯カメラの録画映像が、放映されることが多くなってきました。防犯カメラはかつて、NTSCなどのアナログテレビと同一規格に準拠したものが主流ででしたが、市場はIP系のネットワークカメラへの移行が進み、画質も大幅に改善し、画像解析技術も日進月歩で進化しています。本講義では、今後の伸びが期待されるこれらの映像監視分野に付きまして、市場動向、商品展開、将来展望などを紹介します。

第14回(1月8日)・・・・・・講師:加賀 義隆 氏 (全日本空輸株式会社)

  エンジニアの新たな姿 ~ 社会起業家

 

 今、社会は、広い視野で考えられるエンジニアが必要である。エンジニアの基本能力(論理的思考力、定量的分析力、創造力など)は、物作りだけでなく新たな社会システムの実現にも必要であり、学生がそれを在学中に知ることは重要である。本講義では、講師の航空機整備エンジニア、情報システム開発推進者の経験から、エンジニアの基本能力の重要性を述べる。また本学科卒業生の他の事例も紹介する。

第15回(1月15日)・・・・・・

  まとめ